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『神咒神威神楽』 販促動画 其ノ肆

もはや怒りの日も遠くなりにけり。かつてのような醜態は二度と見せるまいとばかりに、きわめて順調に開発が進んでいた『神咒神威神楽』。先月の更新ではついにOPムービーが公開されたし、ショップの予約特典の情報なども次々と上がってきているし、発売1ヶ月前の時点での正田とまゆきDのツイートからはひどい修羅場の雰囲気は感じ取れない比較的穏当なものだし、これはもしかしたらノンストップで発売されるかなと油断していたところに舞い込んできた通販サイトからの延期告知。ままままだ慌てるような時間じゃ(ry と震える指で毎週金曜日の更新をチェックしてみ…た…ら…

「神咒神威神楽」発売、1週間延期のお詫びとお知らせ

ふー!ざー!けー!るー!なー!!!!

発売日に合わせて有給申請ブチ込んだってのに台無しじゃねえかアホ―!!!…………まあ正田崇のツイートによれば、一番の懸念材料だったシナリオはすでに脱稿しているという事なので、すみません先輩(略)なかつてのようなことにはならなさそうではある。どうも延期の理由は制作工程上の都合によるもので、致し方がない部分もあるのだろうとは理解できないでもないんだけど……でもなぁ。怒りの日の醜聞をぬぐい去らんとする禊ぎのフェイズである今回、せっかくここまで良い感じのスケジュールでトントンと進んできたのに、発売直前のこのタイミングでミソがついてしまうのはどうなのよ。

…………だがしかし、公式の延期告知と同時に公開されたPV4の破壊力は、そんな憤悶を軽く成層圏まで吹っ飛ばしてしまうほどの衝撃だった。Diesのクンフトファーブラの時がそうだったので、神咒のPV4でもさぞかし衝撃的な釣りムービーがくるのだろうなと身構えてはいた。いた……のだが。実際に眼前に繰り広げられるムービーの、そんな事前の予測をかる~く上回る過去最大クラスの破壊力にこてんぱんに打ちのめされて1週間程度の延期なんてもうどうでもいいや☆という気持ちになってしまったよ(白目アヘ顔)

(以下、『神咒神威神楽』PV4および『Dies irae ~Acta est Fabula~』の致命的なネタバレを含みます。閲覧注意)



















動画をクリックしたらいきなり「Einsatz」の和風アレンジが流れるとか、反則技にも程がある。思わず深夜にモニタの前で悶絶&発狂してしまったよ。以前に正田がこんなツイートしていたから、EinsatzとかΩ ewigkeitに三騎士のテーマあたりは来るんじゃないかと予想してはいたけれど、実際に持ってこられたときの破壊力というのは筆舌に尽くしがたいものがある。冒頭の伏見稲荷っぽい鳥居を潜り抜けるエフェクトも、ディエスOPの大橋を疾走するシーンを連想させるようなもので、初っ端のこのインパクトで魂を根こそぎ持っていかれた感がある。

布留部 由良由良と 布留部

血の道と血の道と 其の血の道 返し畏み給おう

禍災に悩む この病毒を この加持にて 今吹き払う 呪<とこ>いの神風

橘の 小戸の禊を 始めにて 今も清むる 吾が身なりけり

千早振る 神の御末の 吾なれば 祈りしことの 叶わぬは無し


冒頭で流れるこのシーケンスは、おそらく随神相の際の詠唱かなにかなのだろうが、不勉強ゆえ今ひとつ元ネタが分からん。一行目のふるへ~はひふみ祓詞で、四行目はの橘の~は記紀神話における「国産み」でイザナギが禊ぎを行った場所……ということくらいまではすぐ分かったが、二・三・五行目の元ネタはなんなんだろうこれ。

「無駄だぞ、言ったはずだ。木偶の剣は効かない」

なぜなら彼は、もとより他者を撃滅することを願った存在ではなかったから。
勝敗や優劣などを、競う魂ではなかったから。
彼が真実、望んだことは、ただ守ることと救済のみ。
我一人が穢れるからこそ、我以外は麗しくあれ。

「分からんだろうが、アレの法が起きる前に逝けるおまえは幸せだよ」


悪路兄さんのバトルビジュアルはトバルカインにしか見えん。ちょろっと明かされた渇望の身勝手っぷりは想像していたけれどほんとに酷えなあ。

ちょっと気になるのは、木偶の剣は~というのはただの比喩表現なのか、それとも化外打倒の際の重要なキーワードなのかというところかな。

「可哀想――あなた達には何もない」

「自分があると思っているだけ、そういう風に感じているだけ。
 何もかも勘違いだと知らないまま」

「だからあなた達は負けたほうがいい。
 下手に勝ってしまったら、何が勝たせてくれたのかを知ることになる」

「アレから見れば、あなた達は塵にもなっていないということを」


母禮は、外見は金髪だしおっぱい大きくなさげだしでベアトリス成分の方が強そうだけど、内面的には螢の影響が大きそうな印象があるな。傍点が振られていた“何が勝たせてくれたのか”というくだりだが、ここはPV3での全滅からどうやって復活するのかという事もあるし、諸悪の根源である第六天波旬の影響による強化(と、それに伴う陰気汚染?)が東征軍に及んでくるのだろうな。

「あなたとわたしじゃ 怒りの次元が違うのよ」

「本当に奪われるというのがどういうことか、都合よく忘れたまま見当違いのことばかり」

「その腕で? その心で?
 彼の永遠に守られているこのわたしに、傷一つ負わせられない貧相な魂とやらで?」

「この黄昏を!このわたしを!
 彼の永遠<アイ>を奪おうだなんて思い上がるんじゃないわよォォッ!」


奴奈比売さんマジヤンデレ。

対手は咲耶(ヘルガ姉さん)だから、ヤンデレVSヤンデレの怪獣決戦が拝めるのか。股間が縮み上がりそうだ。しかし天魔になって格段にパワーアップしているはずなんだが、それでも前世同様の小者臭・幸薄オーラをバリバリ発しているのはさすがとしか言えんわ。やっぱりルサルカはどこまで行ってもこういう星回りが似合うということなんだろうか。

「茶番ね」

「私たちは蜘蛛に堕ち、あなたは蝙蝠に堕ちたというの?
 背中を見せる? 道を示す?
 何を教えるつもりなの? そんな人形ですらない者たちに」

「期待するだけ馬鹿馬鹿しい。
 奴の世界で生まれた者に、奴の法は崩せない。
 それは分かっているはずでしょう」


紅葉が相対するのは、龍水ではなくて因縁の龍明であろうが、玲愛ルートでのエレオノーレvsリザとはまったく逆の構図になるんだよなこれ。前世の意趣返しとばかりに龍明が紅葉に平手打ちするような本気の喧嘩が見られるのかしらん。

世界観を考慮する上でのポイントとしては「奴の世界で生まれた者に、奴の法は崩せない。」というところ。下記の常世のシークエンスとも絡んで来るのだけれど、自壊衝動が存在せず破綻させる糸口が掴めない大欲界天狗道の世界で、どうすれば世界に綻びを生じさせる隙を見いだせるのかという点で、紅葉が大淫婦としての資質を発揮したのが鬼無里の国なのかもしれないし、何らかの打開策を見いだしたからこそ龍明は夜都賀波岐サイドから離脱して動いてるのかもしれない。いずれにしても、天狗道世界の成り立ちに深く関わってくるネタであることは間違いなさそうだ。

「そう、オレだから分かる。オレにしか分からねえ」

「もう一つ、主役の条件ってやつを教えてやるよ――神の玩具だ」

「オレの意志はあいつの意志だ。最後に勝ってやるためだよ」

だから、穢土の残存はそのために。
彼らがいたからこそこの程度ですんでいる。
彼らがいなければ総てはとうにと理解して……


夜刀以外で今回一番グッときたのがこの宿儺のシークエンスだった。彼が主役の条件とは「神の玩具」であると宣うのは、蓮の処遇とそれに引き摺られる己が事情を鑑みてとすればいかにも皮肉ではあるが、そこで“最後に勝つために”ここに居るのだというところに蓮と司狼との切れぬ絆を感じられてなんともせつない。オレの意志は~のところで、バックに夜刀(蓮)の画像が流れるところとか、あからさますぎんだろと思いつつも反応せざるをえないですわ。

しかし今回の宿儺さんの凶悪な外見とトリックスター的な立ち位置はルネ山ボイスにバッチリ似合いそうだよな。司狼というよりはどっちかつうとジューダスっぽさを思い出させるようでもある。

「あれは夢見がちな男だったよ」

「そして、俺はそんな男の矜持だからこそ、心安らかに敗北<なっとく>したのだ」

「そんな奴が、認めぬと言う。ならば俺も認めんよ」

「さあ――空しく亡び去るがいい」


マッキー大獄さんデレすぎ。

どれだけ夜刀の事が好きなんだよアンタ。これのどこが「ことによっては夜刀と反目しているようにも見える」んですかこの野郎。この世界ではメルクリウスが存在しない=汚染の影響を受けていないのでは考えると、マキナよりもミハエルの成分が強くなっているようにも思えるな。そうすると、ミハエルとロートスの友情とか、幻に終わった魔城決戦の顛末なども拝めそうでいまからワクワクしてしまう。

如何なる魔性も及ばない史上最悪の邪性。
三つ目というソレと同じ属性を己が有している事実に気がふれかける。

これが、■■――我ら欲界にひしめく者の父にして、今現在の大極座を統べるモノ。

こんなモノを識りたいと、なぜに己は思ったのか。


対して、体験版2の唯我独尊っぷりとは打って変わって、ポッキリと心をへし折られたような印象を受ける夜行様。正田崇が語っていたところの身体的特徴のある畸形というのは三つ目の事だったということが今回分かった訳だが、以前のWebラジオの「夜行は嫌っておいた方がいい」という発言からも、(かつての蓮とメルクリウスのように)夜行と波旬の間には重要な秘密が隠されているものと思った方が良さそうだ。
大嶽の寸評で「謎を解かねば戦えない」「素顔を見てはいけない」というのがあるが、これも関連して来そうではあるな。大嶽に第三の眼が発現していて~みたいな容易に推測出来るような展開にはならないだろうが。

「嘘吐き――本当は殺したいと思っているくせに」

「波旬の宇宙は自壊しない。あれはそんな願望を持ち得ない。
 かといって自然発生なんていうもの、さらに輪をかけて有り得ない。

 では何か、私は一つ仮説を立てた。どうやら波旬は畸形らしい。だから畸形が誕生する」

「あなたが掲げる覇道<きずな>なんて、結局のところそんなもの」

「――忘れるな。絶対に、その未来は覆らない」


もっと蔑んで下さい。
その光り輝く金色の瞳マジ獣殿の系譜。これに雛見風香ボイスが乗ると想像すると……ゴクリ。その口調と黄金瞳がイザーク祖父さんを連想させるんだけど、イザーク成分が混じっているというよりは、夜刀の大極を補助するゾーネンキントとしての役割を全うした結果、先祖返り的に能力が開花したと考えるほうが正解なようにも思える。他者を染めうる可能性を秘めた竜胆の覇道の資質を、天狗道世界で希有な奇跡としてではなく偶発的な「畸形」と断ずるあたりが、夜都賀波岐と東征軍、そして第六天波旬との立ち位置の違いを表しているのだろうな。それから第六天(他化自在天)のネタ元を考えると、やはり竜胆の成り立ちも波旬と関係してきそうな気がする。

しかし常世様って統率者としての実力はともかく戦闘の方はどうなんだろうな。玲愛先輩は戦闘能力ゼロだったけど。一番キモいとされる随神相の本領を発揮して戦うことになるのかもしれないが、相対する竜胆の戦闘力はあくまで人間レベルのものだから、このままでは釣り合いが取れないんだが。

「真実はたった一つ。亡くしてはならない光<せつな>があるから」

俺は次代を選ばないといけなくて。それが生まれる余地を守らないといけなくて。
波旬の座を完成させるわけには どうしてもいかなかったから――

「ここに生き恥、晒してんだよ。もう誰もいなくなってしまった この宇宙でな!」

それこそが――

「俺の女神に捧ぐ愛だ」

「俺は何も見えない。聞こえない。 ただ忘れないだけだ。
 俺は彼女を愛している!」

「来るがいい、第六天――
 貴様の宇宙に 俺が亀裂を刻んでやる!」



…………何も言えない。なにこの主人公。

「ここに生き恥、晒してんだよ。もう誰もいなくなってしまったこの宇宙でな!」というフレーズが今の蓮……もとい夜刀の立ち位置を如実に指し示しているのだよなあ。敗北してすべてを喪ってしまっても、驚異的なまでの執念(あるいは妄念)で穢土にしがみついているその様は、だがその悲壮さゆえにとても輝いてみえる。ディエスの時から、蓮は悲憤に嘆き狂っている時が一番主人公っぽく光り輝いて見えるという皮肉な性を持っていると思っていたが、今回はその極点にあるとも言える。
しかしこんな痛ましい姿の夜刀に、その内心を一切表に出さずに寄り添い続けていたという常世の心中はいかほどであろうか。奴奈比売はヤンデレっぽいから夜刀の愛に包まれてればそれでいいやと思っていそうだけど。


……という訳で、夜都賀波岐オールスターズで繰り広げられた今回のプロモーションムービー。今までは「あまりディエスを引っぱりすぎるのもどうなんだ」とか「夜都賀波岐マジ圧倒的すぎんだろww これに東征軍が勝つとか無理ゲーじゃねえか」とか思って心のバランスを取っていた訳だけど、今回のこれを見せられたらもう取り繕えない。夜都賀波岐の方に感情移入せざるをえませんわ。夜刀さん主人公の夜都賀波岐レギオンが波旬をボコって女神を取り戻す真・神咒神威神楽な展開でいいよ、むしろそれを見せろ!

しかし、これだけ夜都賀波岐サイドに感情移入させるような仕掛けを施しながらも、正田崇が今作で目指すのは「完全無欠のハッピーエンド」らしい。これは東征軍8人だけが辿り着くものということではないと信じたいんだけどな。その辺は、今週に公開されるPV5の内容に期待したい。とりあえず覇吐さんはそろそろ活躍してもいいと思うんだ。


余談ではあるが、今回のPV4を延々と見続けていて今更ながらに気付いたことがひとつ。ディエス世界の人物のうち化外(夜都賀波岐)サイドとして転生したキャラって、主柱である夜刀(蓮)の存在から、彼と強い結びつきをもつ者たちが集まったのだろうと思っていた。でも、練炭のレギオンたる屋上メンバー……司狼(宿儺)に玲愛(常世)に螢(母禮)、自らの願いを叶える為に11年前に乱を起こした戒(悪路)にベアトリス(母禮)、玲愛ルートで反旗を翻したトリファ神父(海坊主)にルサルカ(奴奈比売)にリザ(紅葉)、双首領に忠誠を誓わず己の望みに最後まで忠実だったマキナ(大嶽)、ラインハルトの命で殺されたアルフヘイムの花たち(手長足長)。彼らを“ラインハルトに反旗を翻した面々”であると括ってみた方がしっくりとくる。
そして東征軍サイドに回ることになったシュライバー(爾子・丁禮)にエレオノーレ(龍明)、ヴィルヘルム(刑士郎)におまけのヘルガ(咲耶)は、“ラインハルトに永遠の狂信と忠誠を誓った連中”であると括ることが出来る……と考えると、ラインハルトという存在を軸にしてディエス世界の人物が東西に分かたれたのか?なんて妄想が浮かんでくる。以前の正田崇のツイートからすると、現在の第六天波旬の理が支配する神咒世界にラインハルトやメルクリウスの存在は消え失せているようだが、玲愛ルートエピローグのように、存在が完全に消え失せるまえに状況を覆すための要石を仕掛けていた可能性はあるのかもしれないなーとか。
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コメント

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お久しぶりです。
以前書き込んでいた時と同じ名前かは覚えていませんが、空気です。

神咒の公式サイトが更新される度に、こちらのサイトの更新も、今か今かと待っておりました。
今後も更新頑張ってください!!

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。

最近は神咒関係くらいしか更新しないくせに、それすらサボり気味なダメなサイトで申し訳ないです。
本当はOPムービーとかTECH GIANのインタビューが出た時にも書こうと思ってたんですが……

まさか、全員のセリフにコメントをつけるとは…さすがです。
まあ、かくいう自分もテンションあがりすぎて、ニコ動の視聴履歴がPV4だけえらい回数になってますが(笑)

ただ、一つだけ心配なのが、これご新規さんをものすごい勢いでブッチしてないか、ということなんですが…
まあ、ラジオで新規の方がより深く世界の謎に踏み込めるかもと言ってましたし、大丈夫ですよね、うん。

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。

なんかもう頭からケツまで釣り糸だらけで見事に釣られた形ですね。
公開→ダウンロード地獄→うわぁぁぁぁぁぁ(AA略)という流れは非常にデジャヴりました。
まあ、正田崇関連について書くことは、他のエロゲ感想などよりも
個人的な備忘録の意味合いが強い、俺得仕様な書き方だったりします。

新規ユーザーについての配慮は……正直どうなんでしょうねこれw
今週公開される予定のPV5でその辺の配慮が見られれば良いのですけれど。

視聴開始した瞬間まるでガキのように大興奮しつつ、めまぐるしく流れるセリフと絵を追って名状しがたい快感に見舞われました。これがアハ体験かっ・・・!

しかし何度も見返していると夜行の足のポーズが妙に可笑しく見えてきました。いや、別に変ではないはずなのですが

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。

視聴開始→Einsatzのイントロで一気に脳内麻薬が出ましたよね。あれはほんと反則技。
というかあの絵面だと、夜行様の足下にはピアノ線がありそうな感じが。