Flyable CandyHeart
Flyable CandyHeart 初回生産版 (ユニゾンシフト:ブロッサム) (18禁)- Getchu.com
君の名残は静かに揺れて
外伝的なスピンアウト作品として『君の名残は静かに揺れて』がリリースされてはいたものの、正式には今回が初となる『Flyable Heart』のファンディスク。緩めの順番縛りがあるオムニバスシナリオの構成となっているが、内容は大まかに分けて以下の4つ。
まず今回のファンディスクで期待されたことといえば、本編で非攻略だったぐみちゃんやあきら(マックス)などのサブキャラの新規ルートだろうが、これについてはあまり出来が良いとは思えなかった。そう感じた理由としては「サブのポジションだから光り輝いていたキャラ性なので、メインに持ってくると面白くない」という良くあるパターンと「(複数ライター制だからかは不明だが)シナリオそのものの出来があまり良くなかった」という2点。個人的にはMAXルートでのネットスラング使いまくりなテキストがあまりの寒さにキレかけたから後者の印象が強かった。マックスルートのオチの付け方には笑ったし、恋愛関係とはかけ離れたキャラ性であるぐみちゃんをどうやって攻略するかというフラグミサイラー会議での議論の結果には、なるほど確かにこういうアプローチだったらぐみちゃんも恋愛感情を意識するようになるかもしれないなあと納得はしたけど。
次に既存キャラのアフター/ifルートストーリーだが、これは全体的に良かった。桜子マジ天使そよそよ最高!とかくるりの「しょー」の破壊力なんかも大きかったけれど、特に本編ではシナリオ展開のせいでキャッキャウフフ成分が少なかった天音の可愛さが天元突破しててもう辛抱たまりません。ってか嫉妬モードの天音の破壊力は洒落になってませんよほんと。宮沢ゆあなマジ上手。今回は(最後の結衣/すずのシナリオで収束されるが)個々のシナリオはパラレルの関係になっているぶん、物語やキャラとの遣り取りの美味しい部分だけを味わえる構成になっているのが嬉しい。
そして個人的本命の茉百合さん。彼女はゲーム本編ではなくスピンアウト外伝企画である『君の名残は静かに揺れて』の後日談。きみなご本編の物語はとても綺麗に閉じてたからこの後日談は蛇足と言えなくもないし、そこで彼女ひとりが大幅に掘り下げられていたからか、シナリオ分量も他ルートに比べたら控えめなものだった。だが、今回のシナリオは、きみなごをプレイした多くのユーザーが「本当はこういう光景を見たかったなあ」と思ったであろう、物語の最後の心残りを掬い取るような“いい蛇足”だったと思う。長編漫画の最終刊で、雑誌掲載で完璧に終わった物語に数ページのエピローグが書き足されていて、余計だなと感じながらもつい顔がほころんでしまう時のような、そんな感じ。つーかインストの「Solitude」は反則だろう! それだけで涙腺が決壊するわ!
『Peace @ Pieces』『ななついろ★ドロップス』『ALICEぱれーど』といった他タイトルとクロスオーバーしたお祭りシナリオである「ふらいあぶるなないろぴぃしぃずぶろっさむすぺしゃるぱれーどハザード」(略称「らぶらぶフライアブルハザード」)だが、これはタイトルから容易に想像出来るようなハイテンションなお祭りシナリオでもう最高に楽しい。エロ方面でも頑張っており、まさかの茉百合×天音さんという俺得カップリングまであって興奮がリミットブレイク。更に(予想はしていたけど)驚愕のBLッサムネタまであったが、これがまた色んな意味でハマりすぎてて腹筋崩壊。というか蛍は今回全編に渡って活躍しすぎだ。
つか、未プレイのタイトル(具体的にはぴすぴす)もちゃんとコンプしておくべきだったとプチ後悔ですよ。逆にありぱれは頑張って開けておいて大正解だったな。エムドリ無双だったし。
そして最後となる結衣とすずののシナリオだが、世界観の本筋に絡んでくるメイン格なのにFH本編ではあまり人気が無く、あまつさえ(設定上仕方が無いことではあるが)『君の名残は静かに揺れて』では登場することすら許されなかった2人のテコ入れと同時に、「フライア」を軸にした世界観を膨らませ、本編での説明不足だった部分を上手い具合に補完している。FH世界の大仕掛けは“奇跡”を起こす物語の仕掛けとしてはアリだとは思ったが、それが明かされるタイミングが悪く説明不足だったので釈然としない気持ちも強く残っていたので、それらの不足感が今回解消されたのはとても良かった。
それから、FH本編では、キャラAを攻略したルートではキャラBが悲惨な事になっていたりキャラCの存在そのものが無くなってしまうという“あちらを立てればこちらが立たず”な状況が作り出されていて、(物語ではその二者択一はそう前面に押し出されて居なかったとはいえ)ちょっとこれはナシじゃねえの?という気持ちがあったのだが、今回の2シナリオではそれらについてもみんなが不幸にならず幸せになれるような状況を作り出していて、それに対しての充足感が大きかった。サブタイトルの「the future is always connected」(未来はいつでも繋がっている)という惹句にすべてを集約させてくる構成が巧い。
祝祭空間の明るいムードの中で、本編でボリューム不足だったりした部分を補完しつつ物語世界を綺麗に膨らませて綺麗に閉じてみせた、いいファンディスクだった。物語で描かれる光景・心象が琴線に触れたという点ではきみなごの方が圧倒的に好きだけれど、FH世界のファンディスクというにはちょっと異質だし、FHの世界観からしたらこちらの方が正解だろう。FH本編→きみなご→FCHと世界が拡がっていったのもよく分かるし。
あと、すずのシナリオで流れる新BGM「Blessing」が素敵すぎて思わず鳥肌が立ったので(水月陵マジ最高)ブロッサムちゃんはきみなごと合わせてサントラを出す作業にさっさと取りかかれと強く主張したい。
関連エントリ
哀しみの機械 - 『Flyable Candy Heart』 特設サイト公開
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Flyable CandyHeart 初回生産版 (ユニゾンシフト:ブロッサム) (18禁)- Getchu.com
君の名残は静かに揺れて
外伝的なスピンアウト作品として『君の名残は静かに揺れて』がリリースされてはいたものの、正式には今回が初となる『Flyable Heart』のファンディスク。緩めの順番縛りがあるオムニバスシナリオの構成となっているが、内容は大まかに分けて以下の4つ。
1. 非攻略キャラの攻略(ぐみ、マックス/あきら)
2. 既存キャラのアフター/ifストーリー (天音、茉百合、桜子、くるり)
3. 複数タイトルクロスオーバーのお祭りシナリオ(らぶらぶフライアブルハザード)
4. Flyable Heart本編の世界観の補完(結衣、すずの)
まず今回のファンディスクで期待されたことといえば、本編で非攻略だったぐみちゃんやあきら(マックス)などのサブキャラの新規ルートだろうが、これについてはあまり出来が良いとは思えなかった。そう感じた理由としては「サブのポジションだから光り輝いていたキャラ性なので、メインに持ってくると面白くない」という良くあるパターンと「(複数ライター制だからかは不明だが)シナリオそのものの出来があまり良くなかった」という2点。個人的にはMAXルートでのネットスラング使いまくりなテキストがあまりの寒さにキレかけたから後者の印象が強かった。マックスルートのオチの付け方には笑ったし、恋愛関係とはかけ離れたキャラ性であるぐみちゃんをどうやって攻略するかというフラグミサイラー会議での議論の結果には、なるほど確かにこういうアプローチだったらぐみちゃんも恋愛感情を意識するようになるかもしれないなあと納得はしたけど。
次に既存キャラのアフター/ifルートストーリーだが、これは全体的に良かった。桜子マジ天使そよそよ最高!とかくるりの「しょー」の破壊力なんかも大きかったけれど、特に本編ではシナリオ展開のせいでキャッキャウフフ成分が少なかった天音の可愛さが天元突破しててもう辛抱たまりません。ってか嫉妬モードの天音の破壊力は洒落になってませんよほんと。宮沢ゆあなマジ上手。今回は(最後の結衣/すずのシナリオで収束されるが)個々のシナリオはパラレルの関係になっているぶん、物語やキャラとの遣り取りの美味しい部分だけを味わえる構成になっているのが嬉しい。
そして個人的本命の茉百合さん。彼女はゲーム本編ではなくスピンアウト外伝企画である『君の名残は静かに揺れて』の後日談。きみなご本編の物語はとても綺麗に閉じてたからこの後日談は蛇足と言えなくもないし、そこで彼女ひとりが大幅に掘り下げられていたからか、シナリオ分量も他ルートに比べたら控えめなものだった。だが、今回のシナリオは、きみなごをプレイした多くのユーザーが「本当はこういう光景を見たかったなあ」と思ったであろう、物語の最後の心残りを掬い取るような“いい蛇足”だったと思う。長編漫画の最終刊で、雑誌掲載で完璧に終わった物語に数ページのエピローグが書き足されていて、余計だなと感じながらもつい顔がほころんでしまう時のような、そんな感じ。つーかインストの「Solitude」は反則だろう! それだけで涙腺が決壊するわ!
『Peace @ Pieces』『ななついろ★ドロップス』『ALICEぱれーど』といった他タイトルとクロスオーバーしたお祭りシナリオである「ふらいあぶるなないろぴぃしぃずぶろっさむすぺしゃるぱれーどハザード」(略称「らぶらぶフライアブルハザード」)だが、これはタイトルから容易に想像出来るようなハイテンションなお祭りシナリオでもう最高に楽しい。エロ方面でも頑張っており、まさかの茉百合×天音さんという俺得カップリングまであって興奮がリミットブレイク。更に(予想はしていたけど)驚愕のBLッサムネタまであったが、これがまた色んな意味でハマりすぎてて腹筋崩壊。というか蛍は今回全編に渡って活躍しすぎだ。
つか、未プレイのタイトル(具体的にはぴすぴす)もちゃんとコンプしておくべきだったとプチ後悔ですよ。逆にありぱれは頑張って開けておいて大正解だったな。エムドリ無双だったし。
そして最後となる結衣とすずののシナリオだが、世界観の本筋に絡んでくるメイン格なのにFH本編ではあまり人気が無く、あまつさえ(設定上仕方が無いことではあるが)『君の名残は静かに揺れて』では登場することすら許されなかった2人のテコ入れと同時に、「フライア」を軸にした世界観を膨らませ、本編での説明不足だった部分を上手い具合に補完している。FH世界の大仕掛けは“奇跡”を起こす物語の仕掛けとしてはアリだとは思ったが、それが明かされるタイミングが悪く説明不足だったので釈然としない気持ちも強く残っていたので、それらの不足感が今回解消されたのはとても良かった。
それから、FH本編では、キャラAを攻略したルートではキャラBが悲惨な事になっていたりキャラCの存在そのものが無くなってしまうという“あちらを立てればこちらが立たず”な状況が作り出されていて、(物語ではその二者択一はそう前面に押し出されて居なかったとはいえ)ちょっとこれはナシじゃねえの?という気持ちがあったのだが、今回の2シナリオではそれらについてもみんなが不幸にならず幸せになれるような状況を作り出していて、それに対しての充足感が大きかった。サブタイトルの「the future is always connected」(未来はいつでも繋がっている)という惹句にすべてを集約させてくる構成が巧い。
祝祭空間の明るいムードの中で、本編でボリューム不足だったりした部分を補完しつつ物語世界を綺麗に膨らませて綺麗に閉じてみせた、いいファンディスクだった。物語で描かれる光景・心象が琴線に触れたという点ではきみなごの方が圧倒的に好きだけれど、FH世界のファンディスクというにはちょっと異質だし、FHの世界観からしたらこちらの方が正解だろう。FH本編→きみなご→FCHと世界が拡がっていったのもよく分かるし。
あと、すずのシナリオで流れる新BGM「Blessing」が素敵すぎて思わず鳥肌が立ったので(水月陵マジ最高)ブロッサムちゃんはきみなごと合わせてサントラを出す作業にさっさと取りかかれと強く主張したい。
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