夏ノ雨
Getchu.com:夏ノ雨 初回限定版(CUBE) (18禁)
ストーリーは起承転結がしっかりしているし、流れにメリハリがついているので中だるみは感じない。“恋愛の紆余曲折”を描いてはいるけれど、過度にギスギス・鬱々とした読んでいて気が滅入るようなものではないし、さりとて甘ったるくコーティングされたぬるま湯的なものもないというジャストなバランス。メインシナリオの“紺野アスタ”氏はこの名義では本作が初のようだが、全体的に書き慣れている感じがあって振る舞いに危うげなところが無いから、まったくの新人とは思いにくい。どこかのベテランのライターさんの変名かなにかだろう。
CGは目を惹くような可愛さ。母体であるcuffsがF&Cのスピンアウト組なだけあって、色の塗りは気が狂いそうなくらいに良い。昔のCanvasとかで見られたようなソフトフォーカスをかけたような彩色は、なんだかんだといって好みです。まあ、たまに異次元な構図・バランスの原画が混じるのが勿体ないところではあるけれど。
キャラはメインである理香子がもう殺人的に可愛い。“素直になれない”系統の気が強い黒髪ロングで声がさくらはづきというパーフェクトすぎるバランスでガード不能でございます。他3人の攻略ヒロインも、属性だけ抜き取ると「元気なクラスメイト」「甘やかしてくれる幼馴染み」「家庭の問題を抱えた年上の女性」といったテンプレートのように見えるけれど、シナリオ中では生き生きと描かれていてとても魅力的。
そんなキャラ同士の会話劇の魅力を下支えする声優のラインナップも良くて、特にサブが異様に豪華(レイラさんには驚き。あとメインだけど銀ちゃん)。ただ、いかにもネームバリューで釣るためにやりましたーみたいな印象は薄く、キャラにあった適材適所の配役になっていることには好感が持てる。
それともちょっと関連してくるが、全然期待していなかったエロが思っていたよりも実用性があったのは嬉しい誤算。各キャラ3回(理香子のみ4回)だけれども、必ず1回は変態チックなシチュエーションを持ってきているし、テキストの尺もそれなりにある。雰囲気作りも悪くないので、キャラの魅力も相俟って全然イケます。今回が初の裏仕事となる澤田なつさんはちゅぱ音をもうちょっと頑張って欲しいけれど、今の時点ではそのレアリティだけで存在価値がある。
ゲームの各要素に飛び抜けて目を惹くようなものはないし、平凡といってしまえば平凡ではあるのだけれど、プレイしていてとても楽しかった。全ルートクリアしてもキャラの掛け合いを味わいたいなあ、物語空間に浸りたいなあとつい再プレイしてしまうような感じってのはひさしぶり。そのあたり、どこか『明日の君と逢うために』を思い起こさせるようでもある。OP曲(Platonic Syndrome)の抜けるような清涼感と、ED曲(Love Letter)の落ち着いた情感が作品の雰囲気を規定しているようにも思える。ちょうど夏にプレイしたのが良かったのかも。
Getchu.com:夏ノ雨 初回限定版(CUBE) (18禁)
ストーリーは起承転結がしっかりしているし、流れにメリハリがついているので中だるみは感じない。“恋愛の紆余曲折”を描いてはいるけれど、過度にギスギス・鬱々とした読んでいて気が滅入るようなものではないし、さりとて甘ったるくコーティングされたぬるま湯的なものもないというジャストなバランス。メインシナリオの“紺野アスタ”氏はこの名義では本作が初のようだが、全体的に書き慣れている感じがあって振る舞いに危うげなところが無いから、まったくの新人とは思いにくい。どこかのベテランのライターさんの変名かなにかだろう。
CGは目を惹くような可愛さ。母体であるcuffsがF&Cのスピンアウト組なだけあって、色の塗りは気が狂いそうなくらいに良い。昔のCanvasとかで見られたようなソフトフォーカスをかけたような彩色は、なんだかんだといって好みです。まあ、たまに異次元な構図・バランスの原画が混じるのが勿体ないところではあるけれど。
キャラはメインである理香子がもう殺人的に可愛い。“素直になれない”系統の気が強い黒髪ロングで声がさくらはづきというパーフェクトすぎるバランスでガード不能でございます。他3人の攻略ヒロインも、属性だけ抜き取ると「元気なクラスメイト」「甘やかしてくれる幼馴染み」「家庭の問題を抱えた年上の女性」といったテンプレートのように見えるけれど、シナリオ中では生き生きと描かれていてとても魅力的。
そんなキャラ同士の会話劇の魅力を下支えする声優のラインナップも良くて、特にサブが異様に豪華(レイラさんには驚き。あとメインだけど銀ちゃん)。ただ、いかにもネームバリューで釣るためにやりましたーみたいな印象は薄く、キャラにあった適材適所の配役になっていることには好感が持てる。
それともちょっと関連してくるが、全然期待していなかったエロが思っていたよりも実用性があったのは嬉しい誤算。各キャラ3回(理香子のみ4回)だけれども、必ず1回は変態チックなシチュエーションを持ってきているし、テキストの尺もそれなりにある。雰囲気作りも悪くないので、キャラの魅力も相俟って全然イケます。今回が初の裏仕事となる澤田なつさんはちゅぱ音をもうちょっと頑張って欲しいけれど、今の時点ではそのレアリティだけで存在価値がある。
ゲームの各要素に飛び抜けて目を惹くようなものはないし、平凡といってしまえば平凡ではあるのだけれど、プレイしていてとても楽しかった。全ルートクリアしてもキャラの掛け合いを味わいたいなあ、物語空間に浸りたいなあとつい再プレイしてしまうような感じってのはひさしぶり。そのあたり、どこか『明日の君と逢うために』を思い起こさせるようでもある。OP曲(Platonic Syndrome)の抜けるような清涼感と、ED曲(Love Letter)の落ち着いた情感が作品の雰囲気を規定しているようにも思える。ちょうど夏にプレイしたのが良かったのかも。
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