『月に寄りそう乙女の作法』 感想

月に寄りそう乙女の作法
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Navelのブランド設立10周年記念作品ということで、とても久しぶりになる鈴平ひろ・西又葵のダブル原画なのだけれど、これが今までの印象からガラッと変わっていて。中間色のグラデーションを多用したイマっぽい感じの塗りなんだけど、作品のノーブルな雰囲気にマッチしているし、なにより美麗で目を惹く。CGを見ているだけで綺麗だなーと感心するのは久し振りだ。ルナ様のその全身から醸し出されるオーラは、あの銀髪赤髪の塗りの綺麗さに因るものが少なくないのではなかろうか。鈴平の原画も以前より華やかになっているなあと感じたけど、久し振りに競うことになった相方に引っ張られたのか塗りに引っ張られたのか、野暮ったさに定評のある西又の絵柄までもが洗練されて美麗に見えてきてしまう不思議。いやほんとにね。でも西又絵が悪いという訳でもなく、鈴平絵だけだと線が細くなりすぎそうなところを防いで厚み(デブ的な意味じゃなく)を持たせるいいバランスになっていると感じた。

音楽も全体的に自己主張が強い感じで耳を奪われるので、おおさすがにNavelは音楽強いなあと思っていたら、クレジットでアッチョリケではなくて外注のArte Refactが書いていたことを知ってとても驚いた。だけどその絢爛な作風は、高いクオリティもさることながら、芸術というお題目をあげた今回の作品の雰囲気に寄り添った作りになっていて好感が持てた。思わずサントラ買ってしまったよちくしょう本当にいい出来だなおい。
ボーカル曲はさすがのNavelクオリティで、特にオープニングが良かった。落ち着いたミディアムテンポの楽曲なんだけど、Bメロまではギターとベース・ドラムのシンプルな構成で引っ張っておいてからサビで入るストリングスで一気に盛り上げるという構成が、OPムービーで鳥が羽ばたくシーンと重なることでの開放感に繋がっていて素晴らしく泣ける。(後述するけど)物語の内容にも合っているしね。あとエンディングは明るすぎてちょっと違うんじゃないかな?と思ったりもしたけれど、すべてプレイし終わった後に聞くと頬がにやけてしまうんだからこれで正解なんだろうな。


これはNavelの特徴と言っていいと思うんだけど、全体的にキャラが立っていて、飽きさせない。特にサブ周りにピーキーなキャラを配置して賑やかすというのはSHUFFLE!というよりは俺つばで目立ってたけど、今回もそんな軽妙なやりとりは変わらず。この辺りは、先述した鈴平・西又(あとサブ原画の羽純りお)の複数原画による多様性の厚みが功を奏していたと思う。鈴平キャラだけだと線が細くてコメディを回すのはちょっとキツいかなと思う箇所がままあったし。そんなサブキャラも日常シーンの賑やかし要員としてだけではなくちゃんと物語本筋で教え導く役割を果たしているのは上手だなーと。個人的に気に入ったのはサーシャさんかな。二の線もコメディも張れるいろいろと美味しいポジションよね。

メインヒロインの中でも、ルナ様のキャラ造形は近年希にみるヒットと言えるだろう。誇り高い立ち居振る舞い、思わず自然に傅いてしまうような気品・言動というのはなかなか表現しにくいはずなのに、プレイしていると、朝日がわずか2ヶ月くらいで従者としての心根になりきってしまった理由が、八千代やメイドたちが尊敬の念を持って接する理由が、散々な目に遭わされながらもユーシェが付き合い続ける理由が、ちゃんと分かる。朝日ならずとも「ありがとうございます。お優しいルナ様」と跪きたくなってしまう。ルナ様の場合は銀髪赤目というキャラデザインの時点で大勝利という気持ちもなくはないが、そのデザインに負けないだけの内実を入れ込んだライター勢はほんと偉い。卯衣さんの演技は棒読みに定評があるんだけど、今回はとても良いンダナ。いやダウナー系って演技の違いを付けるの難しいはずなんだけどきっちり演じ分けてるし本当に良かったですよ。朝日に対しての感情を持て余して戸惑っているあたりの演技は出色。エロシーンでの言葉責めも最高でした。


しかし何より、主人公である大蔵遊星/小倉朝日のキャラ造形が素晴らしいんだ。女装ものの定番として、主人公が一番可愛くて「こんなに可愛い子が女の子のはずがない」を地で行くような、もう男でもいいやというレベルの可愛さ。でもそれだけではなくて、何より強い意志の強さ……というよりも欲求がある。女装して学園に潜入するという事実を許容しているわけではないけれど、そんな無理筋を通してでも、胸に芽生えてしまった「人生を笑って過ごしたい」という希望、「憧れたジャンと同じ服飾の世界に進みたい」という夢に殉じたいと強く願う遊星。こと女装潜入というシチュエーションは、そのキッカケが受動的な(主人公にとっては本意ではない)外的要因によるものが殆どなんだけど、本作は主人公である遊星/朝日の内からわき上がる欲求によるものだということが物語のポイント。
そうなるに至った切欠というか、大蔵遊星という人格がどのようにして成り立っていったかという説明をプロローグの走馬燈の辺りで一気に見せてしまうというのはなかなかのバクチな手法だけれど、今回についてはアリかなと。走馬燈で描かれた、純粋過ぎてどこか虚ろな現実味に欠ける遊星少年がその内面に潜んでいるというバックボーンを理解しているからこそ、本編での朝日の天使のような無私の立ち振る舞いに作り物っぽさを感じにくいというか、ああこの子は本心からそう思ってるんだろうなあと納得できるし、ある種の痛ましさを覚えるようになっている。

つまるところ、本作品はなにより遊星/朝日の物語なのだろう。純粋ではあるもののどこか歪な空虚さを抱えた遊星/朝日が、世界を見て、人を知り、己の進むべき道を見出すことによってそのうつろな洞を愛で埋めていく。出来が良かったルナ様・ユーシェのルートで顕著だけれど、彼ら彼女らに襲いかかる困難を打破するためには朝日の努力によってブレイクスルーを起こすことが必要になるのだけれど、そこには物語の要請で無理矢理捩じ込んだような印象はなく、とにかく頑張ってくれ、是非とも朝日を救ってあげてくれという見守るような気持ちが強くなってしまうのだ。
だからこそ、俺が一番グッと来たシーンは、ルナ様ルートでの衣遠兄様と和解するシーンだったりするわけですよ。捨てられ戸惑う子供のような怯えた眼差しをしながらそれでも何かを期待するかのような遊星の姿と、そこでなにかを振り切って年長者としての姿勢をはじめて見せる衣遠兄様の姿というのは、プロローグの走馬燈から地続きとしての大蔵遊星の物語を締めるものとしてはピッタリだった。りそなは割を食った感じがあるし衣遠兄様も含めて大蔵一族の物語をもっと見たいなあと思うので、続編の乙女理論ではその辺を深掘りしてくれることに強く期待したい。


まあ、ちょろっと難点といえば、場面転換のアイキャッチで出てくる「ドーン!」っていう効果音がデカすぎることかな。雰囲気重視のタイトルなんだから、そこはもうちょっと考えて欲しかったというか。俺つばみたいにコメディ主体の作品ならばそれほどには気にならなかったと思うが。でも、その演出があるから後をひかないというか、ザクザクとぶった切るテンポの良さにも繋がっているように見えるから悩ましいところではある。
それから、まあ、ルート毎の出来の格差かな。つーか、露骨に鈴平担当と西又担当でガクンとレベル変わりませんかおい。瑞穂ルートは悪くないんだけど、ルナ/ユーシェに比べると正直落ちる。湊もキャラとしてはとても可愛いし好感が持てるし不憫可愛いんだけど、自ルートの内容は、おいそれ服飾関係ないじゃねえかよなんで新婚さんみたいに同棲してるんだよというツッコミが先に立ってしまってそのなんというか。服飾の素人だからこそというアプローチだったり、昔からゆうちょを知ってるからこそというアプローチでも良かったんじゃないのかなーって。


魅力的なキャラが織りなすコメディ部分とシリアス部分のバランス取りが絶妙で物語としても(ルート毎のバラツキはあるとはいえ)おおむね上質。CG音楽を含めたパッケージの完成度も高く、ブランド設立10周年記念という名前に負けない、相応しいものに仕上がっていたと思う。
だが、そういう客観評価を飛び越えたところで、俺の心のひだの柔らかいところを突かれてしまった。傷付いて独りで震えていたふたつの彷徨える魂が、その欠けた魂の片割れを見い出して、比翼の鳥のように大空に羽ばたいていく。そんな心象の有り様が、変わりゆく光景がとても魅力的で、とても素敵だった。今回の路線は絶対に支持したいので、今度出る続編の『乙女理論とその周辺』には全力出しますわ。
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大槻涼樹最新作 『赤さんと吸血鬼。』 情報公開

赤さんと吸血鬼。|ALcot ハニカム



かつてのアボガドパワーズ『黒の断章』以来ずっと活動を追い掛け続けている大槻涼樹所長の最新作が情報公開。前作である2年前の『デッドエンド Orchestral Manoeuvres in the Dead End』と同様に次もコンシューマでの発表になるんだろうなあとある種の諦観混じりで待っていたのだけれど、『蠅声の王 シナリオⅡ』から4年ぶりとなる18禁エロゲーのフィールドへの復帰、しかも舞台はまさかのALcot ハニカムブランド、そして安定の宮蔵プロデュースというこの事実に震えが隠せません。

この一見では異色にも思える組み合わせに至ったのは大槻所長いわく合縁奇縁というけれど、実は個人的には、実現したらかなり面白くなるんじゃないかと期待していた組み合わせだったりするのですよ。以前に『春季限定ポコ・ア・ポコ!』の感想を書いた時に、次のハニカムラインの新作として「メッセージ性の強いシナリオライターが描くコンパクトに纏まったストーリーもの」を期待していると書いたんだけど、実はこのときに脳裏に浮かんでいたのはまさに大槻涼樹シナリオ+宮蔵プロデュースという今回の組み合わせ。でも、まったく根拠がない願望あるいは妄想という訳でもなくて、実現する可能性はあるはずだと思ってました。……あ、後付けじゃないよ!?ホントだよ!?(まあ、ぶっちゃけ以前の記事でボカさずに書いておけば満面のドヤ顔出来たのになあとは思ってるけど)

というのも、今回彩色チーフで参加しているくない瓜さんは元あぼぱMENで元ロスクリスタッフ、更にはセカンドノベルをはじめとしてテクスト。ブランドの作品にもCG彩色として参加している、今もって大槻所長と縁が深い人でございます。で、その彼女、実はALcotの宮蔵さんの実の妹だったりするんですな。血縁での繋がりだけではなくて宮蔵氏の同人ゲームやハニカム文庫/新書にCG彩色で参加するなど、仕事の上でも関わり合いがあるようなので、その時点で可能性の糸は繋がっているだろうと。ついでに言えば、くない瓜さんはかつてフライングシャインで原画をやっていてて現在の仕事においてもその界隈との関係が見えるので(たとえば『ポケットに恋をつめて』のたにみちNONは元フラシャ組)大槻所長と仲の良い元フラシャの荒川工経由での繋がりもあるんじゃないかなーとか。

それから、ハニカム文庫って、まず企画の強さ・面白さありきというイメージがあって。力量のあるシナリオライターの、尖ってて面白いけどボリューム感は出せなさそうな企画を、狙いを絞ってコンパクトに纏めてパッケージングするという方向性。で、大槻所長って、まさにその、エッジの立った企画(というよりネタ)をバンバン生み出す人な訳で。かつてのPCエンジェルで連載していた「北の国から」はその最たるもので、そもそも氏の代表作のひとつである『終末の過ごし方』のネタだってそのコラムで掲載されていたもの。『長靴をはいたデコ』なんてまさに企画そのものがネタだったし(誉めてます)わりと最近でも「TOKYO 非実在性少年」なんてネタ書いてたし。
そういう意味では、企画の面白さが重要っぽい(決めつけ)ハニカム文庫ラインは、大槻所長の強みが生かせるフィールドなのではないかと。企画は尖っていて面白そうでもそれを膨らませられるかは筆力次第だけど、所長って実はわりと苦手分野がなくなんでも書けちゃう人だし、その点において心配することはないだろうから。(捻り無しの王道ジュヴナイルな『テスタメントスフィア』なんかもサラッと書いてたしね。復活希望)

あと、大槻涼樹のファンとして死ぬまで追い掛け続けるつもりの自分としても、ちょっと不満点はあった訳ですよ。ひとつは「デジタライズド・ゲームブックに固執しすぎじゃね?」ということ。いや、あのシステムはとても楽しいしゲームブック/TRPG直撃世代だから思い入れも強いよ。でも、ゲームブックの双方向性を活用できず、そのシステム的な煩雑さが足を引っ張る場合は、作品にとっては逆効果なんじゃないかと。具体的には『長靴をはいたデコ』。あの箱庭的な物語世界を表現するのにゲームブック形式というのはピッタリだったように思うけれど、メタ構造を描いた物語としての表現を重視するなら、通常のADV形式にしてもっとボリュームを膨らませたほうがもっとプレイヤーを没入させられたのではなかろうかという相反する気持ちが発売当時からずっとあった。
それから『デッドエンド』を発表した時は、『蠅声の王』大好きだったからとても嬉しかった反面、またこの形式を引っ張るのかという気持ちがわき起こったことも否定できない。探索シーンとかや雑魚戦闘はそのインタラクティブ性がとても楽しいんだけど、物語のクライマックスにおいてはパラグラフを繰っていく作業によるブツ切り感が情動の盛り上げに水を差して「ゲームブック形式でプレイする楽しさ。サイコロを振る快感」と「物語の盛り上がりを阻害された不完全燃焼感」の両方があったのもまた事実。なんでも書けるはずの人なんだから、ひとつの形式に拘らずに、もっとバリエーションに富んだ物語を見せて欲しいんだけどなあというモヤモヤした気持ちがずっとありました。

もうひとつは、これは本当は不満点とは言いたくないんだけど、「自分企画だとボーク寸前のスレスレを狙いすぎです。もっとこう、手心というか…」ということ。いやまあ今作がスレスレでないとは言わないし(苦笑)そのスレスレのラインを狙っていくアティテュードに惚れたからこそ信者を続けているのだけれど、信者だからこそもっと評価されて欲しい。ロスクリも活動を止めてしまって久しい今となっては、『終末の過ごし方』あたりから知ってるようなオッサンユーザー以外には評価されてなさそうな空気があるけど、もっと若いユーザーを魅了して欲しい訳ですよ。あぼぱ後期からずっと企画・ディレクションも含めて統括している感じがあったけど、実力がある人に企画全体の舵取りは任せてシナリオライティングに専念すれば、今まで見られなかった新しい一面が見られるんじゃないかいう希望があって。そして、ライターが変わっても一定の成功を収めているハニカム文庫は、まさに舵取りである宮蔵氏のプロデュースの巧みさが際立つラインなので、その両者が交わればとても魅力的なものが生み出されるのではないかと妄想していた訳です。


そんな脳内妄想がまさかの現実化という事実に、未だに冷静にはなりきれません。敢えて言えばミドルプライスの文庫ではなくフルプライスの新書ラインというところに、纏めきれるかという不安感が残るわけですがそれはそれ。大槻所長にとってもALcotにとっても新境地となるであろう本作、2013年下半期の今人的な本命のひとつに躍り出ました。全身全霊全力で期待しております。……発売までにハニカム新書の『あえて無視するキミとの未来』を開けよう。うん。

『相州戦神館學園 八命陣』 サイトオープン

相州戦神館學園 八命陣

テックジャイアンでの情報公開から遅れること1週間、正田崇×Gユウスケ×与猶啓至という『PARADISE LOST』『Dies irae』『神咒神威神楽』を手掛けたチームの新作の公式サイトがついにオープン。仕事終わりが遅かったのでちったぁ快適になってるかと甘い期待をしていたけれどそこは悪い意味での期待は絶対に裏切らないlight、相変わらず公式サイトはクッソ重かったです。さすがに学習してるかと思っていたのにまるで成長していない…… 一応サーバ増強したっぽいけど高負荷時にちゃんと捌ききれなければ意味がないです、はい。


さて、テックジャイアンの方でも情報公開されていたが、物語は、主人公である柊 四四八が長年見続けていた明晰夢の世界に、世良 水希との出逢いを契機に友人たちも巻き込まれてしまうという異世界もの。その異世界――“夢界(カナン)”はただの幻の世界ではなく「夢界の深層に一度踏み入れたら後戻り出来ない(ただし、夢から目覚めれば現実世界には戻ってこれる)」「夢の中で死んでしまうと、現実にも死んでしまう」「夢で起こった現象が、因果を遡って現実世界での歴史に影響を及ぼす」という甚だ危険な代物。“異世界漂流+デスゲーム”という構造は、大ヒットとなったソードアート・オンラインをはじめとして最近ひとつのトレンドになっているけれど、完全に異世界から戻ってこれない不可逆なものではなく夢から覚めれば現実世界に帰還できることと、異世界の事象がリニアに現実の歴史に影響を及ぼしていくということは目を惹く箇所かもしれない。
夢界の深層は世界観がなぜか明治~大正期の日本に固定されており、そこで主人公たちは、自らが現実世界で通っていた学校「千信館學園」の前身である「戦真館」の一員として、夢界六勢力(神祇省、裏勾陳、鋼牙、逆十字、貴族院辰宮、べんぼう)が鎬を削る抗争に否応がなく参戦せざるをえなくなる……というのが物語の大まかなアウトライン。敵味方が綺麗に分かれた対立構造ではなく、複数陣営が入り交じるバトルロワイヤルであるというところは過去作品から大きく違うところだろう。

オカルトと近代科学が入り交じった世界観や、明治大正期から日本の歴史を辿っていくところは正田崇が例に挙げていた「帝都物語」(荒俣宏)がリファレンスだということを隠してねえな(苦笑) いやあ今となっては手垢に塗れた世界観ではあるけど、こうやってツボを付いた設定と映えるビジュアルが用意されてみるとたまらんな!厨二マインドが疼くったらありゃしない。いいぞもっとやれ。
それからメインキャラのネーミングや配置は「南総里見八犬伝」以外にも「ヨシュア記」も下敷きにしてますな。そもそもカナン=約束の地とか、メインキャラの名前以外にも、夢界の各層名称がそのまんまだし。ちなみに第八層の「イェホーシュア」はヨシュア(=四四八)のヘブライ読み。近代日本という要素と親和性の高い陰陽道/神道あたりが絡んでくるのは予想してたけど、その予想を超えてかなり盛りだくさんに詰め込んで来ているなあ。こりゃ六勢力ごとにぜんぜん別要素を入れ込んできてもおかしくないわ。並大抵のライターだったらとっ散らかったものになってしまうことを心配するところだが、正田崇にその心配は必要ないだろう。そこは信頼してる。


テックジャイアンの記事を読むと「過去作品のようなパワーゲームではなく頭脳バトルが主体」「敵方との間に絶望的な戦力差は(過去作品ほどは)ない」「(敵方の)能力や使い方に意地の悪い奴が多い」「トラウマを力の糧にするノリを辞める」とかコメントしてあって、Twitterの発言とあわせて露骨に過去作品(というかディエスと神咒)を意識しまくっていることに苦笑してしまう。まあ、まったく同じノリで延々と続けられても胸焼けがして困るので新機軸を求めること自体は歓迎したい。
また、今回ことさらに強調している学園ものとしての要素、味方勢の仲の良さというトピック。それがどこまで成功しているのかというのは今作を評価する上でのひとつの基準点になるだろうな。そもそも、夢が覚めたら夢界から現実世界に戻れるという設定自体が、“本格的に戦いが始まってしまうと最後までノンストップで、ヒロインとの親密度を高めるようなイベントを入れ込めない”という既存作品(どう考えてもディエスだな)の弱点を反省したがゆえらしいし。でもなー、あまりに事前情報で仲の良さとかを強調されると、本編でサックリと裏切られるんじゃないかと警戒しちゃうんだよなー。これはもう過去の正田の所業が悪いとしか言いようがないんだが(苦笑)


そんで今回、一番驚いたのがキャスティング。
Twitter / mayuki_tw: とりあえず「相州戦神館学園八命陣」のキャスト情報を投下をばー ...

とりあえず「相州戦神館学園八命陣」のキャスト情報を投下をばー。柊四四八:土門 熱 世良水希:水崎来夢 真奈瀬晶:磯貝まこと 龍辺歩美:結城 友紀 我堂鈴子:北見 六花 大杉栄光:マーガリン天狗 鳴滝淳士:秋山 樹 (敬称略)ですー。メイン7人はこちらの方々ですー。


Twitter / mayuki_tw: 戦神館キャスト続きですー。柊英里子:松田 理沙 真奈瀬剛蔵: ...

戦神館キャスト続きですー。柊英里子:松田 理沙 真奈瀬剛蔵:小山 剛志 芦角花恵:奏雨 神野明影:一条 和矢 壇狩摩:壱封 堂 キーラ:???? (敬称略)ですー。キーラは近日?公開予定ですー。よろしくお願い致しますー。


既存作品との関わりを邪推されることを防ぐために、役が被らない新規の人をメインでキャスティングするのではないかというのは想像してたけど、ここまで綺麗に外してくるとはちと意外(そもそも名義から誰か特定できない人も多い)。意外ではあるんだがそんなことよりも鈴子に五行なずなもとい北見六花ァッ!? 黒髪ロングな残念系ハイスペックお嬢様北見六花ってどういうことなの正田卿……ッ!!!!

いやあ、ほんとこのキャスティングはまったく想定しておらず不意を突かれた。(表ではFAIRY TAILとかあったとはいえ)あまりバトルものに強いという印象はなかった人を、戦闘シーンが主体となる(であろう)正田崇シナリオのメインヒロインに持ってくるというのは想像の埒外だった。不覚。逆に、残念系ハイスペックお嬢様という観点では、これはわりと容易に想像がつく感じではある。元々はその声質を生かしたおっとり系キャラのオーソリティだったけれど、俺つばの日和子さんあたりを契機にへっぽこ気味なツンデレキャラを演じることが多くなり、今では得意ジャンルのひとつとしてひろく認識されてるし。
つーかですな、鈴子のキャラ紹介ラフ見るとど真ん中で顔芸カマしてることに噴出せざるをえないんだけど、もしかして以前に恋愛0キロメートルの顔芸に食い付いてたからアサプロ常連の五行なずなもとい北見六花を起用したんですか(邪推)。いやもう、このキャスティングだけでテンションがクライマックスに上がってしまったよ。以前から大好きな声優さんだしキャラ造形も今んとこ一番好みっぽいので、全力で推していく方向で。

それ以外だと、サブキャラで、小山剛志が裏名義なしで参加していたことにビビった。今まではうたわれるものとみなとそふとくらいしか出てなかったはずなのに男らしいな(元)ヒゲ独身…ッ! まあ、いつも裏名義を使わない一条和矢さんも今回参戦してますが。一条さんが演じる神野正田的にイチオシっぽいので今からどんな演技が見られるかが楽しみですわ。それから、サブキャラで今までlight系列では見かけなかった松田理沙の名前があったのも意外といえば意外。

というかlightの声優の起用法ってわりと独特で、他社常連のかなりメジャーな人が全然出てこないとかよくある話。「最近の鉄板声優を固めてみました」とか「どこかの事務所/音響会社に丸投げしました」的なアレでもないし。まあ、けっこう長い間(それこそパラロスの頃まで)ロックンバナナ丸投げちっくだったけれど……閑話休題。ただ、キャラと声優を摺り合わせるキャスティング能力に限っていえば、lightはマジで鉄板。外したの見たことない(敢えて言えば、一時期、ラジオ絡みの起用が多かったのが気になったくらい)。十数年前の最初期の、地雷しか埋まってなかった頃ですらサウンド周りだけはガチだったので、その点だけに限っては強く信頼しており、何も不安は抱いてはおりませぬ(他は全然信用してねーけどな!)


それにしても、燦然と輝く「発売日:今冬発売予定」の文字から立ち上る無限大の不安感ったらないな。正田はテックジャイアンのインタビューで「自分は一度かなり不義理なことをした男なので、罪滅ぼしのためにもコンスタントに作品を出し続けようと思っています」と発言していたが、我々が求めているのはそのようなことではありません。勘違いしないでいただきたい。
御身の爪牙が心から希求する渇望は、発売が2014年だろうと2015年の年末だろうといっこうに構わないから、完全版とかCS移植とかドラマCDとか資料集とかの蛇足を一切含まずとも、本編の出来だけで必要なことをすべて語り尽くせるまで練り込んでからリリースしてください、事前に期待値が限界破裂するまでブチ上げておいてから8800円の有償体験版を掴ませるのはもう勘弁していただきたいというその一事のみでございます。たしか神咒の情報公開時にも同じことを思った記憶があるんだけどな!!07年版ディエスに神咒PC版とこれで二連荘だぜこんちくしょう。仏の顔も三度からという言葉があるけれど、いくら我々が訓練されきった信者とはいえ限度ってものがありますよ本当に。なんとかしてね、頼むから。
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