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『神咒神威神楽』 販促動画 其ノ弐

神咒神威神楽 『土産』

クンフト以来その釣り動画っぷりが好評な『神咒神威神楽』のプロモーションムービー第2弾が公開。序盤の第三幕からもう東征が始まってるわ、いきなりの海上戦闘だわでテンションがのっけからMAX値に。ちなみに東征の船団を襲っている超巨大なマドハンドみたいなのは正田崇のツイートによると手長足長だそうな。なるほど。
今回のムービーで一番インパクトがあるのは問答無用で夜行様。吐く台詞がいちいちラスボスにしか聞こえないわ、序盤からいきなりメテオストライク(計都天墜)をぶっ放すわとやりたい放題。さすがに東征軍サイドで流出位階(大極)にただ一人到達しているだけのことはあるわ。しかしこれだけ半端じゃない強さを誇る夜行様がゴミ扱いとか、穢土の連中はどれだけ強いんだろうか。俺達はマスターセットのルールでやってるぜ!と意気揚々と突っ込んで行ったら相手方はイモータルがゴロゴロしてました、みたいなとんでもないレベル差なんだろうなあ、多分。

いかにも思わせぶりなモノローグが今回の釣り成分だろうが、ムービー後半に出てきた「奪われた十二番目の暦」というのは、そもそも天狗道の世界には神が不在だから“神が居なくなる月”が成立するはずもないというアナロジーだとして、“穢土の大極”「無間神無月」というタームは、以前のhappy light cafeで「神無月がキーワードになる」と正田が発言していたことと、「黄昏」だの「終わらない逢魔が時」だのという単語を重ね合わせると、蓮やマリィが波旬に敗北して変貌してしまった姿ではないかという連想は容易に出来る。……だが、そんな誰もが想像できるような簡単なオチを正田が出してくるとは思えないんで、もう二捻りくらい予想外の方向から持ってくるくらいはしそうだな。いずれにしても今後の情報公開待ちか。

ちなみに「天魔外道皆仏性 四魔三障成道来 魔界仏界同如理 一相平等無差別に――」というラインは大般涅槃経からの引用。天魔魔縁といったタームと関連して大欲界天狗道の世界観の説明に繋げていくのであろうことは想像に難くない。それから咲耶のグラフィックに被るテロップで「ああそうだ、間違いない。自分はこれを知っているのだ」(下線部はオリジナルでは傍点)とこれみよがしに強調しているのだが、ディエスからの転生組である咲耶が“既知感を認識している”ということは、大欲界天狗道と永劫回帰のメルクリウスの世界、そして輪廻転生のマリィの世界との繋がりを意識させずにはいられない。凶月の一族にのみ“魂”の概念などが伝承されていたという体験版での記述もあったし、龍明(エレオノーレ)がなぜ転生しているのか、以前の世界の記憶を保持していると思しき言動をしてるのか、どのような思惑があるのかという伏線と関連してくるのだろう。

内容としては問答無用でカッコ良かったしテンションも上がったのだが、夜都賀波岐のビジュアルや新BGMなどの新しい素材が少なかった(その辺の事情は正田がTwitterで語っている)のはちょっと物足りなかった。夏発売予定なのにここでリソースを大盤振る舞いしてしまっては息切れしてしまって続かないというのは分かるが、次の更新ではもっとアドレナリンが分泌されるようなどデカい燃料を投下してほしいものだ。
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雑記 110330

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『ラブラブル ~lover able~』 コンプリート

ラブラブル ~lover able~オフィシャルホームページ
ラブラブル~Lover Able~ 初回版(SMEE) (18禁)- Getchu.com
【Game-Style】『ラブラブル ~lover able~』特集
【Game-Style】Game-Style Extra:SMEEインタビュー(『ラブラブル』)

「ヒロインと恋人になってイチャラブする、キャラクター重視のゲーム」というコンセプトを掲げたSMEEの3作目。絵柄が気に入ったのと体験版が好感触だったので購入したのだが、甘いイチャラブをメインに押し出しているだけあって、とにかくヒロイン勢がみんな可愛い。立ち絵が可愛いイベントCGが可愛い声が可愛い性格が可愛い反応が可愛い。あまりの可愛さに臆面もなく「全員俺の嫁!」と叫びながらダッシュしたくなるくらいに可愛い。砂を吐きそうないちゃいちゃシーンをプレイしている自分の姿は、きっと酷い顔面崩壊を起こしているだろうから怖くて誰にも見せられませんわ。みんな可愛くて甲乙付けがたくはあるのだけれど、個人的には小悪魔だけど可憐な天使である花穂と個別ルートに入ってからの遠野そよぎボイスの破壊力が無双すぎたつぐみが特に好き。
ストーリーラインに見るべきところは無いのだけれど、全体的に明るく元気が良い展開で、プレイヤーのストレスが溜まりにくい設計にしていることは美徳と言っても良いだろう(実妹攻略の花穂ルートなんかは、捌き方次第ではかなり鬱々としたものになってしまっていたはず)。そして、凝った物語展開ではないことが、逆に個々のイチャラブなシチュエーションの耐用性を高めているような気もしてくる。つーか髪型や私服の組み合わせを変えて再プレイしても、全然プレイの新鮮さ・楽しさが薄れないってどういう事なのさ。
それから、話を進めていくなかでヒロインと恋愛関係になった影響でヒロインの外見や性格を変えてくる演出(このブランドの前作「らぶでれーしょん」でも採用していたらしいが未プレイ)は、細かいことだがとても効果的で上手だと思った。これはヒロインの変貌ぶりが破壊的なまでに可愛いのもさることながら「自分がプレイした影響でヒロインが更に可愛く変わっていく」ことがプレイヤーとしての大きな達成感・征服感に繋がっており、とても気持ちが良い。

そんな可愛すぎるヒロインに相対する主人公のキャラ造形もなかなかしっかりしていて、適度にバカだけど締めるところは締めるというある種の古典的なキャラ立てではあるものの、思考および行動原理がしっかりしているので好感が持てるし感情移入をしやすい。そして、ヒロインの可愛さに対して「可愛い!」「萌える!」とうるさいくらいにストレートに反応してくれるのが気持ち良い。ヒロインと仲良くキャッキャウフフしたいのに、モニタの前の主人公が(さしたる理由も無いのに)うじうじグダグダとやってるのを眺めている時のプレイヤーのストレスは筆舌に尽くしがたいだけに、それを巧妙に排除した造形にしているところは極めて高く評価したい箇所だ。

エロシーンは個別に切り出してみれば特筆すべきものはないのだが、ラブラブ感に溢れた会話の遣り取りと声優さんのハチミツをぶっかけたような甘い演技が興奮をかき立ててくれるため、実際の質量以上に実用性は高い。水着とかブルマとかレストランの制服といったコスプレ的なシチュエーションを盛り込んでいることも嬉しい&実用性の向上に寄与しているし、なによりみんなおっぱいが大きいのが最高だ。豊満ではない(婉曲的表現)と作中で言われているつぐみですらわりとおっきい感じに描写されているのがいいね。


ただまあ、不満点もある。たとえばCG。塗りは概ねしっかりしているが原画のクオリティに幅があって、ガッカリさせられるような構図がけっこう見られるのはとても残念(ただ、これ以上にレベルが上がって洗練されると、それに伴って失われる魅力も多くあるというギリギリのラインなのかなと思わないでもないが)。それから、キャラ毎のリソース配分の拙さ。「理想の嫁を探し出す」ツールとして機能しているこのゲームで、キャラ間の待遇の不平等を作ってしまうのはもっともやってはいけないことではなかろうか。具体的には「なんでさつきだけCG・回想枠が明らかに少ないんだよオラ」ということなんですけどね。

それから構成について。共通ルートから個別ルートに入った途端、助走無しで一気にブーストして恋人関係になってしまって、常時ダダ甘の展開が延々と続くというのはちょっとどうかなと思った。「徹底したイチャラブ」というメインコンセプトからは外れてしまうのかもしれないが、もうちょっとゆっくり加速して欲しいというか、勿体付けて欲しかった。ただでさえ可愛いヒロインと好感が持てる主人公なんだから、くっつくかくっつかないかの友達以上恋人未満な微妙な期間の、胸の高鳴りとかドキドキとか上手くいかない逡巡とか、そういう甘酸っぱい描写が見たかった。そのほうが本格的にくっついてからのラブラブ描写が引き立ったんではないだろうか。


まあそんな感じで不満を上げたらきりがないし、狙いを集中させたがゆえの脇の甘さを追求しようとすればいくらでも可能ではある。「プレイ後になにも残らない」という反論も正しい。……んだけれど、プレイしている最中の高揚感・多幸感の凄まじさゆえに、そのような瑕疵には目を瞑ってしまおうと思わされてしまうのよな。確かに女の子といちゃいちゃする“だけ”のゲームではあるのだが、コンセプト外の要素を可能な限りそぎ落として、プレイヤーがヒロインとのイチャラブに集中できるように心を砕いた上で、ヒロインの魅力を一点集中の破格の突破力で持って作られてしまっては屈服せざるを得ない。白旗ですわ。
何が凄いかって、Game-Styleの開発者インタビューで語られている作品の訴求ポイントについては、かなりのレベルでクリア出来ているということ。これはつまり、企画の根っこをブレさせず開発者の狙い通りの「ザ・ギャルゲ―」な内容のものに仕上げてきているということで、素直にすげぇことだと思うのですよ。HOOKのサブブランドということでSMEEにはあまり良い印象を抱いていなかった(というか今までほとんど眼中に無かった)のだが、過去作も気になってきたので機会があったら遡ってみようかと思う。当然次回作は指名買いの方向で。

Android端末での自動車関連のサービスとか

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『Flyable CandyHeart』 コンプリート

Flyable CandyHeart
Flyable CandyHeart 初回生産版 (ユニゾンシフト:ブロッサム) (18禁)- Getchu.com
君の名残は静かに揺れて

外伝的なスピンアウト作品として『君の名残は静かに揺れて』がリリースされてはいたものの、正式には今回が初となる『Flyable Heart』のファンディスク。緩めの順番縛りがあるオムニバスシナリオの構成となっているが、内容は大まかに分けて以下の4つ。

1. 非攻略キャラの攻略(ぐみ、マックス/あきら)
2. 既存キャラのアフター/ifストーリー (天音、茉百合、桜子、くるり)
3. 複数タイトルクロスオーバーのお祭りシナリオ(らぶらぶフライアブルハザード)
4. Flyable Heart本編の世界観の補完(結衣、すずの)



まず今回のファンディスクで期待されたことといえば、本編で非攻略だったぐみちゃんやあきら(マックス)などのサブキャラの新規ルートだろうが、これについてはあまり出来が良いとは思えなかった。そう感じた理由としては「サブのポジションだから光り輝いていたキャラ性なので、メインに持ってくると面白くない」という良くあるパターンと「(複数ライター制だからかは不明だが)シナリオそのものの出来があまり良くなかった」という2点。個人的にはMAXルートでのネットスラング使いまくりなテキストがあまりの寒さにキレかけたから後者の印象が強かった。マックスルートのオチの付け方には笑ったし、恋愛関係とはかけ離れたキャラ性であるぐみちゃんをどうやって攻略するかというフラグミサイラー会議での議論の結果には、なるほど確かにこういうアプローチだったらぐみちゃんも恋愛感情を意識するようになるかもしれないなあと納得はしたけど。

次に既存キャラのアフター/ifルートストーリーだが、これは全体的に良かった。桜子マジ天使そよそよ最高!とかくるりの「しょー」の破壊力なんかも大きかったけれど、特に本編ではシナリオ展開のせいでキャッキャウフフ成分が少なかった天音の可愛さが天元突破しててもう辛抱たまりません。ってか嫉妬モードの天音の破壊力は洒落になってませんよほんと。宮沢ゆあなマジ上手。今回は(最後の結衣/すずのシナリオで収束されるが)個々のシナリオはパラレルの関係になっているぶん、物語やキャラとの遣り取りの美味しい部分だけを味わえる構成になっているのが嬉しい。
そして個人的本命の茉百合さん。彼女はゲーム本編ではなくスピンアウト外伝企画である『君の名残は静かに揺れて』の後日談。きみなご本編の物語はとても綺麗に閉じてたからこの後日談は蛇足と言えなくもないし、そこで彼女ひとりが大幅に掘り下げられていたからか、シナリオ分量も他ルートに比べたら控えめなものだった。だが、今回のシナリオは、きみなごをプレイした多くのユーザーが「本当はこういう光景を見たかったなあ」と思ったであろう、物語の最後の心残りを掬い取るような“いい蛇足”だったと思う。長編漫画の最終刊で、雑誌掲載で完璧に終わった物語に数ページのエピローグが書き足されていて、余計だなと感じながらもつい顔がほころんでしまう時のような、そんな感じ。つーかインストの「Solitude」は反則だろう! それだけで涙腺が決壊するわ!

『Peace @ Pieces』『ななついろ★ドロップス』『ALICEぱれーど』といった他タイトルとクロスオーバーしたお祭りシナリオである「ふらいあぶるなないろぴぃしぃずぶろっさむすぺしゃるぱれーどハザード」(略称「らぶらぶフライアブルハザード」)だが、これはタイトルから容易に想像出来るようなハイテンションなお祭りシナリオでもう最高に楽しい。エロ方面でも頑張っており、まさかの茉百合×天音さんという俺得カップリングまであって興奮がリミットブレイク。更に(予想はしていたけど)驚愕のBLッサムネタまであったが、これがまた色んな意味でハマりすぎてて腹筋崩壊。というか蛍は今回全編に渡って活躍しすぎだ。
つか、未プレイのタイトル(具体的にはぴすぴす)もちゃんとコンプしておくべきだったとプチ後悔ですよ。逆にありぱれは頑張って開けておいて大正解だったな。エムドリ無双だったし。

そして最後となる結衣とすずののシナリオだが、世界観の本筋に絡んでくるメイン格なのにFH本編ではあまり人気が無く、あまつさえ(設定上仕方が無いことではあるが)『君の名残は静かに揺れて』では登場することすら許されなかった2人のテコ入れと同時に、「フライア」を軸にした世界観を膨らませ、本編での説明不足だった部分を上手い具合に補完している。FH世界の大仕掛けは“奇跡”を起こす物語の仕掛けとしてはアリだとは思ったが、それが明かされるタイミングが悪く説明不足だったので釈然としない気持ちも強く残っていたので、それらの不足感が今回解消されたのはとても良かった。
それから、FH本編では、キャラAを攻略したルートではキャラBが悲惨な事になっていたりキャラCの存在そのものが無くなってしまうという“あちらを立てればこちらが立たず”な状況が作り出されていて、(物語ではその二者択一はそう前面に押し出されて居なかったとはいえ)ちょっとこれはナシじゃねえの?という気持ちがあったのだが、今回の2シナリオではそれらについてもみんなが不幸にならず幸せになれるような状況を作り出していて、それに対しての充足感が大きかった。サブタイトルの「the future is always connected」(未来はいつでも繋がっている)という惹句にすべてを集約させてくる構成が巧い。


祝祭空間の明るいムードの中で、本編でボリューム不足だったりした部分を補完しつつ物語世界を綺麗に膨らませて綺麗に閉じてみせた、いいファンディスクだった。物語で描かれる光景・心象が琴線に触れたという点ではきみなごの方が圧倒的に好きだけれど、FH世界のファンディスクというにはちょっと異質だし、FHの世界観からしたらこちらの方が正解だろう。FH本編→きみなご→FCHと世界が拡がっていったのもよく分かるし。
あと、すずのシナリオで流れる新BGM「Blessing」が素敵すぎて思わず鳥肌が立ったので(水月陵マジ最高)ブロッサムちゃんはきみなごと合わせてサントラを出す作業にさっさと取りかかれと強く主張したい。

関連エントリ
哀しみの機械 - 『Flyable Candy Heart』 特設サイト公開
哀しみの機械 - 『君の名残は静かに揺れて』 コンプリート

雑記 110304

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