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『リアル妹がいる大泉くんのばあい』 コンプリート

リアル妹がいる大泉くんのばあい

主人公と親友キャラは「妹もののエロゲが大好きなエロゲオタ」で、そんな主人公の元に「ゲーム世界から理想の妹が出てくる」なんていう、エロゲの中でエロゲについて語るようなメタフィクショナルな構造を持つ物語。そもそもタイトルからして、シナリオライターのおるごぅるの過去作『うちの妹のばあい』のセルフパロディだし、作中で“バッドエンドで妹が寝取られる”「うちいも」というエロゲーを出してきたり、そのオリジナル版うちいもで寝取りキャラとして猛威を振るった(らしい。オリジナル版は未プレイ)虎牙猛をもじった古賀剛というキャラを出してきたりとやりたい放題。

と、そんな吹っ飛んだネタの方が先行している風ではあるが、散々“エロゲにおける妹もの”を茶化してネタにして(エロゲにおける)妹に対しての偏愛を語り「妹の子宮と独占契約」だのと吹いているのに、いざリアルで妹と恋愛をする段になったらかなり真面目に、フィクションと現実味のバランスをうまく取って兄妹の禁断の関係を描いている。そもそも涼(主人公)がバーチャル妹である麻衣を「妹」とは呼ばない(そう呼ぶのはリアル妹である栞だけ)とかなり早い段階で宣言するあたり徹底してる。(かつての『雨やどり』のこれ見よがしな露悪趣味が長い間印象に残っていたので、なおさら印象深い)
短いフレーズでの印象の持たせ方やテキストの節回しとか、キャラ同士の掛け合いは軽妙だし、漫符的な表現の演出とかも、それほど目新しいものではないが全体的に丁寧なつくり。ともすれば、下手なフルプライスのタイトルよりもしっかりしているような印象すら受ける。最後にタイトル画面に戻る演出も含めて、プレイした後の読後感が良く、面白かったーという余韻の残し方が絶妙だった。

でも、「どこがどう面白いのか?」と言われるとちょっと言葉に詰まってしまうんだよな。ひとつ前の『死神の接吻は別離の味』の方がインパクトはあったかなーとも思うし、エロのボリューム感が(しにきすと比較すると)物足りないのも不満点といえば不満点。

前作の『死神の接吻は別離の味』といい、次作の『キッキングホースラプソディ』といい、ALcotのミドルプライスタイトルは、バットをコンパクトに握った面白い試みの作品が続くので今後も注視していきたい。元イージーオーだったりSiriusだったりとビジュアルアーツ関連絡みな組み合わせが続くので、長岡建蔵×さっぽろももことか、高橋龍也×水無月徹とかが来たら笑える。
まったくの余談になるけれど、ゲーム内ゲームにおける麻衣シナリオが「非攻略の妹キャラ」「倒れたところを兄がおんぶして保健室まで運んだ」というものらしくて、『With You ~みつめていたい~』の乃絵美を連想したりした。アレも病弱キャラだったし。
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『happy light cafe』 第45回

Webラジオ:light Official Web Site

happy light cafeもあと2回で最終回。放送中に、正田崇がはじめてラジオに登場した回(第11回:2009年4月24日配信分)は鯖が落ちかけた……と語っていたが、当時のことは今でも鮮明に思い出せる。怒りの日以降公の場に正田崇が顔を出すことは無かったから、いきなりのラジオ降臨という未知の展開に「正田はまだlightに残っていたのか」「つーかどの面下げてラジオになんて出やがるつもりか」と愚痴りつつも、胸に宿る期待感を捨てきれずにリロードアタックを繰り返したもんだ。ああ懐かしい。

さて、今回は正田崇・まゆきのディエスチームに広報&服部というレギュラーメンバーで、終始総括&回想モードで進行。2本録りらしいので、最後の次回更新分で正田崇の新作について何らかの発表(タイトルとかイメージビジュアルとか?)が公開されるのではないだろうかと推測。そんな中での新しいトピックとしては以下の2つ。

・萌えゲーアワードでDies iraeがトップを取ったら、正田崇が特攻服を着て壇上に上がる

これはいい公開羞恥プレイ。lightはソフ倫理事という立場上から萌えゲーアワードを推進しているっぽいので、そんな思惑にホイホイと乗ってしまうのも悔しいのだが、ネタとしては面白いので手持ちの票を投下してみた。
とはいえ、本当にトップを取って実現してしまったら、それはそれでなんかノリノリでやってそうな気もするのがちょい複雑ではある。

・Diesのプレムービーは正田が自らコンテを切って指定していた

これは、まあ普通に考えればそうだろうな。ファーブラのプレムービーver.3でのラインハルトとメルクリウスの対峙シーンなんかは分かりやすいし。他にもクンフトのプレムービーのver.4の煽り方とかファーブラプレムービーver.4のイザーク地獄巡りの演出とか、物語の切り出し方がとても的確だったもの。全身全霊で釣り針にダイブしていた当時の自分は目論見通りに踊らされていたということなんだが、「同じ阿呆なら踊らにゃ(略)」という言葉もあるし、楽しかったのは事実だから後悔はしていない。
しかし、07年版通過組で事前に情報の蓄積があったからこそ、あのプレムービーで小出しにされる情報のギャップに一喜一憂していたのだと思うのだけれど、果たして完全な新規組の人たちはどんな受け取り方をしていたのだろう。ちょっと気になるところではある。

「アイドルマスター2」 3rd & 4th PV

THE IDOLM@STER OFFICIAL WEB
YouTube - 「アイドルマスター2」3rd & 4th PV (「THE IDOLM@STER 2nd-mix」&「SMOKY THRILL」)
『アイマス2』では律子プロデューサーがライバル!? TGSの試遊ヒントもお届け - 電撃オンライン
バンダイナムコ、Xbox 360「アイドルマスター2」。TGS2010「アイマス2」速報!会場にてトライアルバージョン&最新PV公開 - GAME Watch
4Gamer.net ― [TGS 2010]「アイドルマスター2」,TGS 2010にてトライアルエディション出展を緊急決定。9月18日にはキャストを交えたステージイベントも開催(アイドルマスター2)
4Gamer.net ― トップアイドルへの道に強力なライバルが立ちはだかる? 「アイドルマスター2」,律っちゃんPが率いるユニット「竜宮小町」とは!?(アイドルマスター2)
『アイドルマスター2』をTGSで体感! 最新PVも公開!!【TGS2010】 - ファミ通.com



竜宮小町マジパネエ。圧倒的すぐるでしょこれは……

これは2のビジュアルが初出の時から感じていたことだけど、伊織が髪型をイメチェンしたことで、えらく正統派の美少女っぽい雰囲気を醸し出すようになった。もともと1でも「もう数年したら超絶美少女になりそうな雰囲気」「美しく羽化する直前の未成熟さ」を漂わせていたのでこの変貌には納得できるのだが、そんな格好であんな歌とダンスを踊られたら、もうどうしたらいいか分かりません。真美はアダルティに成長しちゃってるし、途中のブレイクの掛け声やポージングはいちいちエロすぎるし、律っちゃんP敏腕すぎだろう……
しかしYoutube画質では細かいところのノイズや潰れが目立つので、とっとと60fpsムービーとかを公開してもらいたいものだ。

THE IDOLM@STERのリミックスの方は、1の振り付けとの違いにばかり目が行ってしまうなあ。2は派手なモーションなんだけれど、実際に踊れなさそうな(ダンサーが振り付けていなさそうな)動きなのがすこし引っ掛かる。(これは先行のThe world is all one!!でもちょっと思った)

『happy light cafe』 第44回

Webラジオ:light Official Web Site

毎月2回のhappy light cafeが更新。まず『light Vocal Collection IV』が発売決定。収録内容はまだ未定だそうだが、前回(III)に収録されたのが『R.U.R.U.R』までだから、順当に考えればそれ以降のタイトルが収録される……のだろうけれど

『Dies irae(07年版)』(CD全部持ってる)
『さかしき人にみるこころ』(ゆかりCD買った)
『あるすまぐな』(そもそも本編買ってない)
『タペストリー -you will meet yourself-』(本編開けてないけど樋口秀樹のサントラは買った)
『どんちゃんがきゅ~』(本編開けてないけどWHITE-LIPSのボーコレ買った)
『Dies irae~Acta est Fabula~』(CD全部持ってる)
『Soranica Ele -ソラニカ エレ-』(本編開けてない)
『まじのコンプレックス』(本編開けてない)


こんな感じの所有状況なので、個人的にはあまり旨みがなかったりする。「Shade and Darkness」が収録されたりすれば、新装版以降のファンにはありがたいのかもしれないが。


そして正田崇の前作でプレミアがついていた『PARADISE LOST』の再販についての話題。情報告知の当初はダウンロード販売のみという話もあったが、パッケージ版も発売決定。Windows 7に対応して来年(2011年予定)にリリース予定とのことだが、ラジオでの話しっぷりを聴く限りでは、詳しいスケジュールはまだ決まっていなさそうだ。

それよりも、ボイスの新規録音が無くなった(=ライルやノウ、ナハトなどに音声が付かなくなった)ことには心底残念ですよええ。ついに魔剣・魔弾・魔鏡の三つ巴シーンがフルボイスで拝めるのか!とwktkしながら待ち続けていたってのによー。ちなみにラジオの情報ページの方ではボイス追加されるようなニュアンスの記述があったんだが、いつの間にかこっそり修正されている。まあそれは仕方が無いとしても、地味にイラッと来るのは

「当時のプレイ感のままで!」という声もありましたのでそこはそのままと言う事にしました。


という下り。追加の音声が気に入らんのだったら音声の個別ON/OFFオプション付ければそれで済む話だろうに、こんな取って付けたよーな胡散臭い言い訳すんな。それだったら「予算とかの諸事情で追加要素無しになりましたサーセン」とかハッキリと言われたほうがまだスッキリするわ。

まあ、代わり…なのかどうかは不明だけど、どうやら過去のTECH GIANに載った外伝が収録される可能性がありそうだ。収録当時のTGは捨ててしまったのでこれは素直に嬉しい。自分は目を通したことはないのだが、小冊子だか設定資料集だかが存在していたらしいので、それも可能ならば復活させて欲しい。パラロス世界とディエス世界に関連性があると分かった今となっては、資料的価値は当時よりも上がっているだろうし。
オリジナルで付属していたサウンドトラックが付属するかについてはラジオ内では言明されなかったが、これも今後単品で商品化されることはまず有り得ないだろうから、収録されてなかった曲(たとえばED曲のThe Blessing@WHITE-LIPSとか)を追加した完全な形で、出来ればリマスターして同梱してほしい。


正田の次回作についての話題もサラッとあったが、(おそらく月末のルサルカSSのボイスドラマ更新に合わせて)正田崇が次回ゲストで登場するっぽいので、そこで多少の情報開示がされるような気がする。
今のところ分かっているのは、「来年(2011年)以降に発売」「原画はGユウスケ」「ディレクターはまゆき」「ネタは日本神話。キーワードは“神無月”」「外来語・和製英語の使用NGの縛りあり」「タイトルは音楽ネタ(Twitterのツイートから)」「マリィルートのED後の遥か未来、流出位階に到達した第六天波旬にマリィが座を追われた後の世界が舞台」「ディエスでのキャラ同士の因縁やエピソードの幾つかは、形を変えて新作で描かれる」「声優がスライドで続投する可能性あり」ということくらいか。……ほとんど分からないも同然だなあ。


今回はまゆきDがゲストだったが、hlc自体があと2回で終了ということもあってか、すっかり総括モード。ここまでゲームの情報をメーカー自らがオープンにするWebラジオというのも貴重なのですこし残念ではあるが、そもそも新装版が出る前の暗黒期にすこしでもディエスの情報が出ていないだろうかと聴き始めたのが最初だったので、ディエスが完結した今となっては(自分の中では)hlcは役目を終えた感があるのも確か。つか、2年経っても水霧けいとは進行gdgdなままだったな……

Xperiaのバージョンアップ(R1EA029)とか

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『夏ノ雨』 コンプリート

夏ノ雨
Getchu.com:夏ノ雨 初回限定版(CUBE) (18禁)

ストーリーは起承転結がしっかりしているし、流れにメリハリがついているので中だるみは感じない。“恋愛の紆余曲折”を描いてはいるけれど、過度にギスギス・鬱々とした読んでいて気が滅入るようなものではないし、さりとて甘ったるくコーティングされたぬるま湯的なものもないというジャストなバランス。メインシナリオの“紺野アスタ”氏はこの名義では本作が初のようだが、全体的に書き慣れている感じがあって振る舞いに危うげなところが無いから、まったくの新人とは思いにくい。どこかのベテランのライターさんの変名かなにかだろう。

CGは目を惹くような可愛さ。母体であるcuffsがF&Cのスピンアウト組なだけあって、色の塗りは気が狂いそうなくらいに良い。昔のCanvasとかで見られたようなソフトフォーカスをかけたような彩色は、なんだかんだといって好みです。まあ、たまに異次元な構図・バランスの原画が混じるのが勿体ないところではあるけれど。

キャラはメインである理香子がもう殺人的に可愛い。“素直になれない”系統の気が強い黒髪ロングで声がさくらはづきというパーフェクトすぎるバランスでガード不能でございます。他3人の攻略ヒロインも、属性だけ抜き取ると「元気なクラスメイト」「甘やかしてくれる幼馴染み」「家庭の問題を抱えた年上の女性」といったテンプレートのように見えるけれど、シナリオ中では生き生きと描かれていてとても魅力的。
そんなキャラ同士の会話劇の魅力を下支えする声優のラインナップも良くて、特にサブが異様に豪華(レイラさんには驚き。あとメインだけど銀ちゃん)。ただ、いかにもネームバリューで釣るためにやりましたーみたいな印象は薄く、キャラにあった適材適所の配役になっていることには好感が持てる。
それともちょっと関連してくるが、全然期待していなかったエロが思っていたよりも実用性があったのは嬉しい誤算。各キャラ3回(理香子のみ4回)だけれども、必ず1回は変態チックなシチュエーションを持ってきているし、テキストの尺もそれなりにある。雰囲気作りも悪くないので、キャラの魅力も相俟って全然イケます。今回が初の裏仕事となる澤田なつさんはちゅぱ音をもうちょっと頑張って欲しいけれど、今の時点ではそのレアリティだけで存在価値がある。


ゲームの各要素に飛び抜けて目を惹くようなものはないし、平凡といってしまえば平凡ではあるのだけれど、プレイしていてとても楽しかった。全ルートクリアしてもキャラの掛け合いを味わいたいなあ、物語空間に浸りたいなあとつい再プレイしてしまうような感じってのはひさしぶり。そのあたり、どこか『明日の君と逢うために』を思い起こさせるようでもある。OP曲(Platonic Syndrome)の抜けるような清涼感と、ED曲(Love Letter)の落ち着いた情感が作品の雰囲気を規定しているようにも思える。ちょうど夏にプレイしたのが良かったのかも。