恋色空模様 // すたじお緑茶ちんたらプレイしていたがやっと終了。良いところも悪いところも、発売前にたぶんこんな感じになるんじゃないかと想像していたそのまんまだったんでなんだかなあと。まず悪いところから挙げると、共通ルートがオバカで楽しいんだけど無駄に長くて、後半のシリアス展開が物語の運び方が悪くてもにょもにょするという全体バランスの悪さの問題。……これ自体は緑茶タイトルとしては珍しくはないんだけど、今回は中盤からの廃校問題に立ち向かう展開がアレすぎて今までのタイトル以上に酷い。友人のひとりが暴行を受けて意識不明の重体だのメインキャラが人殺しだのという展開を、前半の明るくオバカな学園ラブコメのあとに見せられてもどう反応すればいいのか分かりませんわ。ってーかなんでタイトルが「神那島クルセイダーズ」に変わってるんだよと。別のゲームでやっとけと。
上に付随する問題ではあるけれど、今までの緑茶作品に比べて、主人公礼賛の度合いが鼻に付くことが多い。巫女繁や片恋いの主人公もナチュラルにハーレムを構築するリア充野郎だったけれど、彼らはゲーム内の雰囲気が後押ししていることもあって特に気にはならなかった。だが今回は「田舎の島の廃校問題に相対する」というわりと現実っぽいネタを扱っているのに、主人公の行動にそれに対抗しうる“頭の良さ”“切れ者っぽさ”というのは(作中での賞賛の声とは裏腹に)感じ取りにくい。でありながら主人公の行動を周りが散々持ち上げることには、俺TUEEEEE!の快感よりは気持ち悪さのほうが先に立ってしまう。主人公を持ち上げるために“敵”の動き方がご都合主義っぽかったりサブキャラが当て馬っぽく使われてしまうこともその気持ち悪さに拍車を掛ける。
ついでに今回の主人公はエロシーンで顔出ししてるんだけれど、本編の内面描写からは想像しにくい童顔ショタ顔でめがっさ違和感。ショタだけならまだしも、チンコは小さめの包茎ショタチンポというのは超微妙。エロゲなんだから、顔はショタでもチンコはビッグサイズでいいじゃねーかよ。
良いところだが、まずは基本パートの掛け合いの面白さとそれを支える画面演出の素晴らしさ。システムレベルでの演出の良さという点では片恋いの時点でトップクラス(あとはPurple softwareとかういんどみるとか?)だったが、更にレベルアップしている。
バストアップのCGの拡大・縮小・画面内での位置の変更。フェイスウィンドウを併用することによるキャラ同士の立ち位置・ポジショニングの表現。後ろ向きの(画面の“奥”の方を向く)バストアップを用意することによる奥行きの表現などなど。それによりゲーム画面を立体的な広がりがあるものに見せることに成功しており、ドタバタした掛け合いによって立ち絵やフェイスウィンドウが縦横無尽にと暴れ回る様は、何も考えずぼーっと見ているだけでも楽しい。
最近はワイド対応のタイトルも増えてきたといっても、ただ表示領域を横に伸ばして黒帯を作らなくしてみましたー的な作り方のものが多いのだが、今作はそれらとは一線を画す。横方向への表示領域が広くなっていることを最大限に生かした演出をスクリプトレベルで練り上げているのは素晴らしいの一言。
本作品が話題になるもっとも大きな要因となった“新進気鋭”の原画家
るちえが描くCGも、どれもこれも半端じゃなく可愛い。身体のパーツの付き方がなんかおかしくねえ?と首を傾げる微妙な絵もあるんだけれど、可愛いから許す。要所で挿入される
広瀬まどかのSD原画もいい感じのアクセントとなっていてGood。
登場するキャラはみんな可愛いし、演じる声優さんの演技もとても良い。静奈先輩の「えーっ」とか彩の「わふわふ♪」みたいな擬音がいちいち可愛くてツボにハマる。特に静奈先輩は巨乳で先輩でおっとりでお嬢様で声が手塚まきという、まさに俺のためにある配役だ。
ただ、最近の緑茶ではよくあることではあるが、可愛いすぎるサブキャラが軒並み攻略不可能エッチシーン無しというのは御願いですからなんとかしてください。青山ゆかりと風音と五行なずなと木村あやかとみると黒崎猫(多分…ゆっこちゃんだけは自信ない)が非攻略サブキャラとか、もったいないお化けが出るレベル。
んでエロが思いの外良かった。回数モード読みでは各キャラ5回だが、フルセットではないエロも登録されているので実用に耐えられるものはもう少し減る。シーン1つあたりの長さ・濃さはそれなりだが、フェラが意外と良い音を出していて悪くない。最近覚醒した鮎川ひなたや超鉄板の鷹月さくら(夏野こおり)は順当に良いとしても、あの遠山枝里子ですら他タイトルに比べるとえらく(遠山基準で)マトモなちゅぱ音を出していて驚いた。
だがしかし、今回一番良かったのはまさかの
手塚まき(さくらはづき/雛見風香)。普通の膣性交よりも口淫シチュが多めという素晴らしき俺得仕様で、巨乳というキャラ特性を生かしてパイズリとか、お嬢様キャラにあるまじき玉舐めとか前立腺責めまで完備。まあ普通のエロゲシチュではあるけれど、これを手塚まきが演ることに意味があって、ここ何年かの彼女の担当作品では一番良かったんじゃないかと思う。ぶっちゃけヘビロテです。これで主人公に包茎小さめチンコなんて設定が無ければなお良かったのに。(いやまあ包茎チンコの皮を優しく剥かれちゃうようなシチュはそれはそれでドキドキしますが)
どうも俺はすたじお緑茶に甘いのか、内容に微妙なところが多くても緑茶だからなあと許してしまうことが多い。最近
グッズ販売とかTwitterとかでやらかしちゃったみたいだが、そういう脇の甘さも含めて「緑茶なら仕方ないなー」とか思ってしまうのだ。基本的に、独特のゆるーい雰囲気がある緑茶ブランドが好きなんだろうな。なんせ恋空コンプしたばかりなのに、ネタで出てきた過去作をやり直したくなってるくらいだもの。
そんな俺なんで、共通ルートのワイワイガヤガヤした楽しさと業界トップクラスの画面演出と声優の演技と特定のエロシーンが良かったので、今作には満足しています。……それ以外の部分については思うところは多々あるという点では
『片恋いの月』の時と一緒なんですがね。
今回は話題性も十分でセールスもかなり上位に食い込んだようだけれど、話題になったのは緑茶のブランドとしての力量ではなく、原画家のるちえの功績によるものが大きいと思うので、今後も慢心せずに頑張って欲しい。だからスタッフは非攻略キャラに光を当てる
恋空えくすとらの制作作業にさっさと取りかかればいいと思うよ。